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ピアース・ブロスナン『007/ダイ・アナザー・デイ』『ゴーストライター』トリーネ・ディアホルム『未来を生きる君たちへ』

「未来を生きる君たちへ」スサンネ・ビア監督

南イタリア、ソレントより愛をこめて 別荘ウェディングの準備におこる奇跡のラブロマンス。人生を少しずつ進んでいく上で出会う、チクリと痛い、愛と喜びに満ちた大人たちの人生讃歌。

『未来を生きる君たちへ』スサンネ・ビア監督
ピアース・ブロスナン 『007/ダイ・アナザー・デイ』『ゴーストライター』
トリーネ・ディアホルム 『未来を生きる君たちへ』
第69回ヴェネチア国際映画祭正式出品作品
第37回トロント国際映画祭正式出品作品
監督:スサンネ・ビア  脚本:アナス・トーマス・イェンセン
出演:ピアース・ブロスナン、トリーネ・ディアホルム、キム・ボドニア、セバスチャン・イェセン

提供:東宝 ロングライド 配給:ロングライド 宣伝:クラシック+PALETTE 協力 :イタリア政府観光局(ENIT)
2012年/デンマーク/112分/カラー/デンマーク語・英語/シネマスコープ/ドルビーSRD/英題:LOVE IS ALL YOU NEED/字幕:丸山垂穂

TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国公開中
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解説

南イタリア、ソレントより愛をこめて。別荘ウエディングの準備におこる奇跡のラブロマンス。人生を少しずつ進んでいく上で出会う、チクリと痛い、愛と喜びに満ちた大人たちの人生讃歌。

『未来を生きる君たちへ』の名匠スサンネ・ビアが贈る、大人のためのラブロマンス

アカデミー賞外国語映画賞受賞作『未来を生きる君たちへ』をはじめ、『しあわせな孤独』『ある愛の風景』『悲しみが乾くまで』『アフター・ウェディング』など、家族ドラマの中に愛とモラル、再生、復讐などのシリアスなテーマを盛り込み重厚な作品を撮りつづけてきたスサンネ・ビア監督。数々の名作を共に作り上げてきた脚本家アナス・トーマス・イェンセンと再びタッグを組んだ本作では、一転、ユーモアあふれる人間賛歌に満ちた大人のためのラブロマンスを作り上げた。

舞台は陽光まぶしい南イタリア。海を見下ろす瀟洒な邸宅で結婚式を挙げるまでの数日間、悩み多き愛すべき人々が、自分が本当に求めているものを見つけていく。ビア監督らしい鋭い人間考察を土台にラブコメディの王道を軽やかに踏襲、希望あふれる再生への道を描いた爽やかな感動作の誕生だ。

デンマークを代表する名優たちとピアース・ブロスナンの豪華競演

家族の幸せを第一に生きてきた中年女性イーダ。乳がんの治療もひと区切りつき、娘の結婚式を目前に控え、明るい未来が見え始めたそのとき、夫の浮気が発覚。一方、イギリス人の会社経営者フィリップは、愛する妻を事故で失った悲しみから何年たっても立ち直れず、仕事ひと筋に打ち込んできた。そのせいでひとり息子とも疎遠、心通わせる相手がひとりもいなくなっていた。イーダとフィリップは、それぞれの娘と息子が結婚式を挙げるイタリアへ向かう空港で、偶然にして最悪の出会い方をする。

冷徹な仕事中毒のイギリス人フィリップを演じるのは、007シリーズ以降も『マンマ・ミーア!』や『ゴーストライター』など硬軟自在に活躍するピアース・ブロスナン。

さらに、イーダ役のトリーネ・ディアホルムをはじめ、デンマークを代表する名優たちが勢ぞろい。イーダの家族とフィリップの家族、ともに欠点も多く問題を抱えた個性豊かな面々が、時に罵倒しあい、殴りあいまでしながらも、それぞれに気づきを得ていく数日間。傷ついたからこそ真実が見えてくる過程が、ユーモラスかつロマンチックに綴られていく。

南イタリアの青い海とレモン果樹園と別荘で心が開かれていく

イーダの家族もフィリップの家族も、デンマークから南イタリアのソレントに集う。ソレントは、ナポリから南に約50キロ、ナポリ湾に面するソレント半島の北岸に位置し、世界文化遺産の地アマルフィ観光の玄関口としても知られる土地だ。カプリ島もポンペイもすぐそば。フィリップの別荘は海岸沿いの断崖の上に建ち、周囲にレモン果樹園が広がっている。登場人物はたびたび自室のバルコニーから海を眺め、日の出や日没の美しさに魅せられる。後半、明け方にフィリップと息子が語らう場面では、フィリップは別荘の地下室から降りて神秘的な海の洞窟に出る。

また、イーダとフィリップが心を通い合わせはじめるレモン果樹園の場面も印象的だ。レモンはイーダにとって日々欠かせない果物であるとともに、彼女の人生にとって象徴的な存在でもある。週に1度は夫の好物のレモン・プリンを作り続けてきたイーダだったが、レモン果樹園からビジネスを起こしたフィリップには、心の奥で響きあう何かを感じるのだ。青い海と爽やかなレモンの香気が、この大人のためのラブロマンスの全編に満ちて、うっとりとさせてくれる。

物語

人生、幸せの絶頂の時でも不幸のどん底の時でも・・・
単純そうだけどチクリと痛い、愛と喜びに満ちた大人たちの物語。

結婚式の前の週

娘の結婚式が間近に迫った日、イーダ(トリーネ・ディアホルム)の乳がん治療は一区切りついた。乳房再建を薦める女医に「夫はありのままの私が好きなんです」と笑顔で答える。だが、帰宅すると、夫のライフ(キム・ボドニア)は居間のカウチで若い女性とセックスの真っ最中。2年半も前からの仲だとライフは悪びれもせず、「君が病気になって悲しかったんだ」と言って、出て行った。

結婚式4日前

娘のアストリッド(モリー・ブリキスト・エゲリンド)は交際3か月のパトリック(セバスチャン・イェセン)と、彼の父親が所有するイタリア南部ソレントの別荘で、結婚式の準備に大わらわ。一方、ひとり旅に不慣れなイーダは、コペンハーゲン空港の駐車場でほかの車に衝突してしまう。車を傷つけられた男性は激怒。パトリックの父親フィリップ(ピアース・ブロスナン)だった。

結婚式3日前

パトリックの亡き母親の妹ベネディクテ(パプリカ・スティーン)たち親族が別荘に来る。ライフは、あの浮気相手のティルデ(クリスティアーネ・シャウムブルグ=ミューラー)を伴ってきた。アストリッドは憤然とするが、イーダは娘の前では決してライフを非難しないのだった。傷心のイーダは、かつらも服も脱ぎ、海で泳ぐ。そこにフィリップが駆けつけ、「沖に流されるぞ!」と心配して裸体に優しく上着を掛けてくれる。帰り道、フィリップのレモン果樹園でイーダは「一番好きなのはレモン。レモンのない世界は想像つかない」と語る。いつしか2人の間には穏やかで優しい空気が生まれていた。

結婚式2日前

街のカフェで、フィリップは亡き妻エリザベットとの馴れ初めや彼女の突然の死について、イーダに静かに語る。

結婚式前日

ゲストたちが続々とやって来る。戦地に赴いていたアストリッドの弟ケネト(ミッキー・スキール・ハンセン)も、右腕を骨折し、やって来た。夜のパーティで、嫌がるイーダと無理やり踊るライフにケネトが殴りかかる。息子を追いかけて庭に出たイーダのもとにフィリップがやって来て、「君は自分の美しさに気づいていない。君はとびきり綺麗だ」と優しく言う。そのとき、ベネディクテが邪魔に入る。ベネディクテに言い寄られたフィリップは、募らせてきた彼女への嫌悪感をはっきり告げるのだった。

結婚式の準備を手伝ってくれている地元の青年アレッサンドロとアストリッドが親密にダンスするのを見て、パトリックは激高。だが、アストリッドから「彼はゲイよ」と言われ、パトリックの中で何かが弾ける。アレッサンドロのもとに行き、激しく唇を重ねる。

結婚式当日

夜明けまでケネトと海岸で語らったイーダが自室に戻ると、意気消沈したアストリッドがベッドに横たわっていた。パトリックが結婚をためらっているという。「彼は私を求めていない。求めているのはパーティや自分の父親。アレッサンドロや友だち。ワインや料理」

庭にゲストが揃い、新郎新婦の登場を待ち構える。やっと姿を現した2人だが、アストリッドは父親から手渡されたブーケを投げ捨てて言う。「私たち、結婚しません。嘘はもうたくさん。あなたが年老いて太ったうえに不幸でいる姿なんて見たくもない」

そして、その後

ある日、イーダが外出から戻ると、家の中がバラの花だらけに。「よりを戻してくれ」と言うライフに、イーダは無言でうなずく。数日後、イーダが働く美容院にフィリップがやって来る。ビジネスを縮小してイタリアに戻ることにした彼は、イーダに思いを告げる。動揺したイーダは、「もう悩みたくない。帰ってくれる?」と答えてしまう。イーダが自分の本心に気づくまで、あとほんの少しの時間が必要だった……。

監督・脚本プロフィール

(2012年ヴェネチア国際映画祭にて)©Kazuko WAKAYAMA

Susanne Bier 監督:スサンネ・ビア

かねてから私は、傷つきやすい人についての映画、普段は我慢の人生でもユーモアがあれば元気が出る、というような映画を作りたいと思っていました。主人公のイーダとフィリップの傷つきやすさは、抱える問題の重さとユーモラスなタッチの軽さの両方を携えています。
私たちは主人公ふたりを、考えられる中で世界で一番ロマンティックな場所に送り込みました。そこでは、コミカルな人物もたくさん登場します。ユーモアとロマンスはふたりの困難を和らげるためではなく、お互いが対立する立場であることをハッキリとさせるために使いました。
そうすることで、幸せの絶頂の時でも不幸のどん底の時でも、それぞれの登場人物たちの本来の姿を、正確に細やかに描くことができたのです。

1960年4月15日、デンマーク・コペンハーゲン生まれ。ビア監督が世界的に注目を集めたのは、ドグマ95の手法で撮った『しあわせな孤独』(02年)で、Robert観客賞やトロント映画祭国際批評家連盟賞など数々の賞を受賞した。続く『ある愛の風景』(04年)ではサンダンス映画祭やボストン・インディペンデント映画祭で観客賞を受賞。同作品は09年にハリウッドでリメイクされた(『マイ・ブラザー』)。『アフター・ウェディング』(06年)はアカデミー賞外国語映画賞にノミネート。07年には初の英語作品『悲しみが乾くまで』をハル・ベリーとベネチオ・デル・トロ主演で撮影。『未来を生きる君たちへ』(10年)は、2011年アカデミー賞外国語映画賞やゴールデン・グローブ賞など数多くの賞を受賞した。ブラッドリー・クーパーとジェニファー・ローレンス主演の最新作「Serena」を完成させたばかり。

●主なフィルモグラフィー
  • 1991年「Freud flyttar hemifrån...」 監督
    1992年「Brev til Jonas」(短編) 監督
    1993年「Luischen」(テレビ映画) 監督
    1994年「Det bli'r i familien」 監督
    1995年「Pensionat Oskar 監督
    1997年「Sekten」 監督・脚本

  • 1999年「Den eneste ene」 監督・原案
    2000年「Livet är en schlager」 監督
    2002年「ラブ・ファクトリー」 製作総指揮・脚本
    2002年『しあわせな孤独』 監督
    2004年『ある愛の風景』 監督・原案
    2006年『アフター・ウェディング』 監督・原案

  • 2007年『悲しみが乾くまで』 監督
    2009年『マイ・ブラザー』 オリジナル脚本
    2010年『未来を生きる君たちへ』 監督・原案
    2012年『愛さえあれば』 監督・原案
    2013年「Serena」  監督

Anders Thomas Jensen 脚本:アナス・トーマス・イェンセン

1972年4月6日、デンマーク・フレデリックスバエルク生まれ。90年代の終わりから現在にいたるまで、イェンセンの脚本はデンマーク映画界の興行成績に大きく貢献してきた。代表作に『ミフネ』(98年/ソーレン・クラーク=ヤコブセン監督)や『キング・イズ・アライブ』(00年/クリスチャン・レヴリング監督)などがあるが、何よりも『しあわせな孤独』(02年)から始まったスサンネ・ビア監督作品で名高く、以後、『ある愛の風景』(04年)、『アフター・ウェディング』(06年)、『未来を生きる君たちへ』(10年)でタッグを組み、本作が5作目のコラボレーション作品になる。

※「」=未公開 『』=公開作

監督インタビュー

スサンネ・ビア インタビュー

  • —あなたの作品を観てきたファンにとっては、本作のようなコメディは意外に映るかもしれませんね。
    なぜロマンティック・コメディを撮ろうと思ったのですか。

  • 「わたしにはとてもメランコリックな面もあるけれど、幸いユーモアのセンスもある。よくわたしの映画を観て、とてもシリアスな監督だと期待している人に会って、びっくりされることがあるわ。人を楽しい気分にさせるのは好きよ(笑)。
    今回は、この経済危機の時代に軽妙な映画を作りたいと思ったの。ただし軽くても、シリアスなテーマを扱いたかった。いまの時代、多くの人にとって人生は大変なのだという観点に立った映画を作るのは、いいことだと感じたの」

  • —あなた自身はこれまでの作品と本作が掛け離れていると思いますか。今あなたがおっしゃったように、これはコメディでありながらもかなりシリアスな事柄が描かれているわけで、その点は演出をする上でこれまでと大きな違いがあったのでしょうか。

  • 「たしかにこれは百パーセント・コメディでもストレートなロマンティック・コメディでもない。ただし恥も外聞もないほどロマンティックな映画と言える。愛は存在するということをためらうことなく主張する真にロマンティックな映画で、それはコメディの要素よりも強いと思う。悲しみと孤独とロマンスと楽しさのあいだでバランスが取れているのではないかしら。それに皮肉や風刺もある。
    わたし自身はこれまでの他の映画と大きな違いがあるとは考えていない。これまでの映画にも、シリアスなドラマのなかにコメディの要素は存在していた。ただその占める割合が異なっただけ。
    この映画には若い男性が自分の本当のセクシュアリティを発見したり、乳癌を患って髪の毛も失いおまけにロスト・バゲージまでする女性や、妻を亡くした男性が出てくる。だから多くの痛みがあるけれど、それを軽めに描くことにしたの」

  • —あなたの映画にはつねに死という主題が含まれていますが、それはあなたにとって身近に感じるものだからでしょうか。

  • 「ええ、だって死はわたしたちみんなにとって避けて通れないものでしょう。でもこの映画はむしろ希望を描いたものよ。
    映画に死のテーマが色濃くあるのは、それによって何よりも生をもっと謳歌しようとする意志のため。この映画はヒロインが癌を克服するところから始まる。でも脚本家のアナス・トーマス・イェンセンとわたしはコメディを作ることにした。なぜなら癌についてのシリアスなドラマは作りたくなかったから。観客に涙を流させるようなトピックについて語りたくなかった。誰もが不安になるような題材だからこそ、そこに希望がある描き方をしたかったの」

  • —ヨーロッパの監督であるあなたとピアース・ブロスナンの組み合わせがとても新鮮でした。
    どこ から彼のことが浮かんだのですか。また彼をどう説得したのでしょう。

  • 「以前から彼のことは優れた俳優だと思っていた。彼はわたしの映画、『未来を生きる君たちへ』を観ていたの。ピアースと電話で話すのは楽しかったわ。
    彼は最初『あなたのようなシリアスなヨーロピアン・ディレクターから声が掛かるなんて。僕は作品に相応しいのかな?』と意外な様子だった。それでわたしは『これはロマンティック・コメディですから』と答えた。彼のこれまで演じて来た役のイメージから、電話の向こうの彼の顔が想像できるようだったわ。
    できるだけ相手に丁寧に接しようとする、困惑したジェントルマンといった感じかしら(笑)。でもそれから彼は脚本を読んで、とても気に入ってくれた。素晴らしい経験だったわ」

  • —ロケーションはどのように選んだのですか。

  • 「イェンセンとわたしは、以前あの辺りの海岸に行ったことがあったの。ソレントはただ美しいというだけじゃない、とてもノスタルジックな雰囲気があるし、どこか悲しげでもある。ストーリーの悲しみの要素が、あの場所の雰囲気にぴったりだったわ」

  • —『未来を生きる君たちへ』がアカデミー賞の外国語映画賞に輝いたことは、あなたにどんな影響をもたらしましたか。

  • 「『愛さえあれば』は、まだアカデミー賞を取る以前から考えていた企画よ。アカデミー賞によって自分の選択が左右されるとは思わない。監督ならアーティスティックな興味や好奇心に導かれるべきで、これが本当に作りたいという気持ちに突き動かされなければならない。
    監督としてやってならないことは、自分自身の基準、なぜこれをやるのかというパースペクティブを失うこと。これをやれば受けるだろうとか、こういうことが期待されているなどと考えたら、すべてが間違った方向に行ってしまう。だからわたしはそんな風に考えたことはないわ」

  • —題名ですが、これはあなた自身のメッセージが含まれていると思っていいのでしょうか。

  • 「そうね、原題※の方がもう少し意味深ではあるのだけど……。もちろんわたしたちが必要としているのは愛だけではない。でもこうは言える。もし愛を得たなら、あなたの人生はもっと意味があるものになるでしょう、と」

  • —女性観客なら誰しも、ブロスナン演じるフィリップに恋するのではないでしょうか。

  • 「そう思う?でも世の中いろいろな好みの人がいるかもしれないわ(笑)」

取材・文/佐藤久理子(映画ジャーナリスト)(2012年ヴェネチア国際映画祭にて)
※原題デンマーク語『Den skaldede fricØr』(坊主のヘアドレッサー) 

キャスト

  • Pierce Brosnan ピアース・ブロスナン /フィリップ

    ビアは以前から、デンマークに住む外国人という人物を描いてみたかった。その方が孤独を高めるからだ。「このキャラクターが孤独を感じ、コペンハーゲンで完全に孤立するには、誰か外国人でなければならなかったわ」。「彼は素晴らしい俳優よ」とビアはブロスナンについて語る。

    「この映画について完全に理解していた。彼自身、少し傷つきやすい人物を演じて見たかったんじゃないかと思うわ」。

    1953年5月16日、アイルランド・ナヴァン生まれ。アメリカの人気テレビシリーズ「探偵レミントン・スティール」(82年)の主役に抜擢され、一躍有名に。95年の『007/ゴールデンアイ』からジェームズ・ボンド役を射止め、『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』(97年)、『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』(99年)、『007/ダイ・アナザー・デイ』(02年)に出演。99年に出演と製作を手掛けた『トーマス・クラウン・アフェアー』(ジョン・マクティアナン監督)も大ヒットした。そのほかの近年の出演作に、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞にノミネートされた「ザ・スナイパー」(05年/リチャード・シェパード監督)、『マンマ・ミーア!』(08年/フィリダ・ロイド監督)、『ゴーストライター』(10年/ロマン・ポランスキー監督)などがある。03年にエリザベスⅡ世から名誉大英勲章第4位を授与された。

  • Trine Dyrholm トリーネ・ディアホルム /イーダ

    苦難を前向きに生きるイーダについて、「イーダは、私の母から少しインスピレーションを貰ったわ。母もガンを患ったけれど、いつも物事の明るい部分を見ていたのよ。イーダにはそういう一面を持っていてほしかった。いつだってポジティブな方を選ぶ、というのが彼女の持って生まれた本質なのよ」とビアは言う。イーダが周りの登場人物や観客を戸惑わせることなく明るいままでいることは、ディアルホムにとってチャレンジングでバランスをとりながらの演技だった。

    「イーダが愚かだと思わせてはダメなの。だって彼女は愚かではないんだから」。

    1972年4月15日、デンマーク・オーデンセ生まれ。91年から95年までデンマークの国立演劇学校で学び、数々の舞台で絶賛を浴びてきた。18歳のとき出演した映画「Springflod」(94年)で、デンマーク批評家協会賞にあたるBodil受賞。以降、これまでにBodil受賞は5回を数え、この偉業はほかのどの女優も成し遂げていない。国際的な注目を集めたのは、98年のトマス・ヴィンターベア監督作品『セレブレーション』。スサンネ・ビア監督作品『未来を生きる君たちへ』(10年)で主人公の妻を演じ、BodilとRobertで主演女優賞を受賞した。最新作に『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(2013年4月公開/ニコライ・アーセル監督)がある。

Sebastian Jessen セバスチャン・イェセン/パトリック

1986年7月7日、デンマーク・セーボー生まれ。子役出身から見事に大人の俳優への転身に成功。98年に児童映画「Albert」でデビューして以来、高い評価を受け、数多くのデンマーク映画に出演してきた。また、声優としても、『とび★うおーず』(00年)など多数のアニメーション映画で活躍している。

Molly Blixt Egelind モリー・ブリキスト・エゲリンド /アストリッド

1987年11月20日生まれ。デンマーク期待の若手女優のひとり。現在オーデンセの国立演劇学校に在籍中。映画デビューは02年のイェスパ・W・ニールセン監督のヒット作「Okay」で、複雑で心打つ演技が絶賛された。以降、愛らしくも情緒豊かで不思議な感性を感じさせるアプローチでさまざまな役を演じ、ナターシャ・アーティ監督の「ファイター」(07年)など評価の高い作品に出演している。

Paprika Steen パプリカ・スティーン /ベネディクテ

1964年11月3日、デンマーク・コペンハーゲン生まれ。デンマーク出身のもっとも優れた俳優のひとりとして国際的知名度も高く、デンマークでは人間国宝級の存在として知られる。98年、国際的に注目されたドグマ95の活動に積極的に参加、ラース・フォン・トリアー監督の『イディオッツ』(98年)、トマス・ヴィンターベア監督の『セレブレーション』(98年)、ソーレン・クラーク=ヤコブセン監督の『ミフネ』(98年)に出演した唯一の俳優である。しばしば「ドグマ・クィーン」と称されたスティーンは、やはりドグマ95作品として作られたスサンネ・ビア監督の『しあわせな孤独』(02年)にも出演、この作品でBodilとRobertで助演女優賞を受賞した。

Kim Bodnia キム・ボドニア/ライフ

1965年4月12日、デンマーク・コペンハーゲン生まれ。大きく注目を浴びたのは、オーレ・ボールネダル監督の『モルグ』(94年)で、Boilの助演男優賞を受賞。その後、のちにライアン・ゴズリング主演の傑作『ドライヴ』(11年)を撮ったニコラス・ウィンディング・レフン監督の『プッシャー』(96年)に出演。さらに、アナス・トーマス・イェンセンが脚本を担当した『ゼイ・イート・ドッグス』(99年)および続編の「ゲット・ザ・マネー」(02年)に主演。スサンネ・ビア監督の『未来を生きる君たちへ』(10年)では主人公を唐突に殴りつける男を好演。ビア監督の最新作「Serena」(13年)にも出演している。デンマークで最も大成した俳優のひとりだ。

※「」=未公開 『』=公開作

ソレントについて

美しい海岸線が広がるソレント

ナポリから南に約50キロ、ナポリ湾を囲むように対岸にあるのがソレント。アマルフィ海岸の起点となっており、カプリ島行きのフェリーが多く発着している。アマルフィ海岸だけでなく、ナポリからソレントに向かう海岸線も風光明媚でとても美しい海岸が続いている。ナポリ民謡の「帰れソレントへ」の舞台としても有名。ナポリの喧騒を離れ、優雅で魅力的な観光リゾート地として人気がある。

撮影が行われた主な場所

別荘はIL PIZZO(イル・ピッツォ)といい、ソレントから1kmのところにあるSant'Agnelloサンタ・アニェッロのイオッメッラ・グランデ通りVia Iommella Grandeにあります。

イーダとフィリップが空港から車に乗って走る海岸線は、ソレントからポジターノ、アマルフィに行く道路。

別荘のバルコニーから見下ろす海岸はソレントで、海の向こうにみえる山はヴェスーヴィオ山。

イーダとフィリップがお茶している場所は、実際はカフェではなく、「セディーレ・ドミノーヴァSedil Dominova」という16世紀の建物で、現在は年配の方々の会合の場でもあるSocieta Operaia本部となっており、歴史的中心部サン・チェザレオ通りVia San Cesareo通りにあります。

イーダと息子が黄昏れている港はマリーナ・グランデ。

協力・情報提供:イタリア政府観光局(ENIT)、ソレント観光局 www.sorrentotourism.com
©Regione Campania

海外評

ビア監督の新作は笑いと音楽と希望に溢れ、
前進することが人生で一番大切なことだと気付く。
数々の登場人物たちを見て、観客は大いに楽しむことだろう。

Cineuropa

シネオウロパ by ステファン・ドブロユ

『愛さえあれば』は、人生を変えようという勇気ある人たちへの讃歌だ。

Movie City News

ムービー・シティ・ニュース by キム・ヴォイナー

ビア監督は女性の登場人物たちの内面を描くことでその本領を発揮し、
ディアホルム演じるイーダは、思いやりや傷つきやすい心、
非常な強靭さといった豊かな感情を、物語の中で大いに発散している。

Hollywood Reporter

ハリウッド・レポーター by デイヴィッド・ルーニー

ビア監督と脚本のイェンセンは
ビター・スイートなコメディの真の逸品を作るため、
ウイットに富みながらも強烈で思いがけない展開を用意した。
定番の形式の中でも楽しんで作品を作り上げたのは間違いない。

The New York Times

ニューヨーク・タイムズ by ロデリック・コンウェイ・モリス

最高のパフォーマンスに決めゼリフ、
ブロスナンとディアホルムの完璧なケミストリー(化学反応)は、
これまでずっと成功を収めてきたビア監督と脚本家アナス・トーマス・イェンセンの
5度目のコラボレーションを最高のものに仕立て上げた。

Cineuropa

シネオウロパ by ステファン・ドブロユ

プロットは決して馬鹿げたものにならないよう
注意深く設計され、セットや景観は素晴らしく、
撮影も見事だ。

Screen Daily

スクリーン・デイリー by ダン・フェイナルー

スサンネ・ビア監督の人生讃歌『愛さえあれば』の根底には、
他の人間を信じるという強い思いがある。
トリーネ・ディアホルムが魅力的に演じるイーダは、
この種の信念をたっぷりと持ち合わせている。

The New York Times

ニューヨーク・タイムズ by ロデリック・コンウェイ・モリス

人生の苦難に直面しても、
甘さと共に苦さも受け入れる能力についての前向きな映画。

Information

by イーベン・アルビヌス